月城課題:エドが朝起きて最初に会う人は?
Good morning to・・・?シリーズ 1
短い一日
「ねむ・・・」
欠伸を噛み殺して階段を降りる。窓の外はいい天気で昼になりかけな時刻のようだ。
意外にもよく寝たなと思いつつ朝食の事を考えていた。
「はよ〜、おばちゃん。朝な・・・」
「やぁ鋼の。いい朝だな!!」
宿屋のおかみさんへの挨拶を遮る声が飛んで来た。
コーヒーを啜り、新聞を広げ、片手をあげ、不釣り合いな程の爽やかな笑顔で挨拶してきたのは・・・大佐――ロイ・マスタングだった。
「君は朝は少々遅いようだな。待ちくたびれたよ。
また遅くまで読書でもしていたんだろう。あまり夜更かししてると大きくなれないぞ。」
「うるせーっ!!誰が1ミクロンも伸びていない豆粒だって?!ちゃんと伸びとるわー!!
じゃなくて、何であんたがこんなトコでコーヒーなんか飲んでんだよ!!ってか待ちくたびれたってなんだよ!!」
「相変わらず騒がしいな、鋼の。宿の方にご迷惑じゃないか。」
ブチッ
「あんたのせーだろっ!!」
俺は危うく階段の手摺りを握り砕くところだった。
「カルシウム不足か?牛乳はきちんと飲まないと身長にも響くぞ。」
バキッ
・・・あ〜あ、砕いちまった。
とりあえず表面上は落ち着いてみるか。まず、おかみさんに平謝り。それから手摺りを錬成して元に戻す。
その間大佐は軽く無視。何か言ってるがとりあえず無視だ。というかずっと無視したい。うん。
ふとアルが居ない事に気付く。
「おばちゃん、俺のツレ知らない?」
「アルフォンスなら司令部だ。」
またこいつは・・・ん?
「司令部?!」
「あぁ。ちょっと手伝ってほしい事があってね。お願いしたら快く受けてくれたよ。」
「なっ!!アルはあんたの部下じゃないだろっ!!何使ってんだよ!!」
「使ってるなど人聞きが悪い。ちゃんとお願いしたと言っているじゃないか。」
澄ました顔でコーヒーを啜る。馬鹿にしやがって!!
「アルに何させてやがる。事によっちゃ...」
「フュリー軍曹が風邪を引いてね。」
は?フュリー軍曹?
「風邪自体は対した事ないのだが、ブラックハヤテ号の世話をする人間がいなくてね。
アレは手のかからない犬だが餌等の問題もある。ホークアイ中尉は忙しい、というか司令部自体が忙しいからな。」
「つまりアルは忙しい司令部でブラックハヤテ号の世話してるって事か。」
「ご名答。」
はぁぁ。
俺は盛大に溜息をつく。アルは今頃喜々としてブラハと遊んでるのだろう。それはいい。問題は、こいつだ。
「で、忙しいはずの司令部を抜け出してあんたは何してんだ?サボってないで仕事しろよ、仕事。」
「失礼な。仕事はしてるぞ。今日は休暇だ。」
・・・そうらしい。よく見たら私服だった。ベージュのシャツに黒のスラックス。ラフな恰好だ。
「君と過ごそうと思ってね。」
は?何言ってんだこいつ。
不信と不満と不快感を顔全体に拡げる。眉間のシワは深まっただろう。
「俺にも予定ってもんがあるんだけど。」
「無論承知の上だ。君は予定通りにしたまえ。私はただ君と過ごすだけだ。」
絶句だ。
未だかつてこんなバカみたいな事をのたまった大人がいただろうか?いや、いない。というか、いていいはずがない!!
しかも、さも当たり前だと言わんばかりに平然と言ってのけてやがる。何が何でもやる気だ!!当然の様にどこまでも付いてくる気だ!!
何て迷惑な大人なんだ?!何のメリットがあるっていうんだよ!!一緒にいたって俺は何もしてやらないぞ!!
・・・ここまで考えると、もうどうでもいい気がしてきた。
どうせ俺の予定は一日図書館で調べ物だし。短い一日だ。どうでもいい事には諦めが肝心だろう。
「・・・勝手にすれば? とりあえず俺は朝食・・・」
「それならうまい店がある。案内しよう!!」
ガシッと有無を言わさず腕を掴まれた。そしてそのまま引きずられるように連行される。
――――前言撤回!! 今日は長い一日になりそうだ。
End
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ロイ→エドって感じですかね。
ただ単にアホなロイと振り回されるエドが書きたかったので。
うちの大佐は子供みたい。あれ〜?カッコイイ大佐を書きたいはずなのになぁ・・・
緋月悠奈