今だ!!
ボクはこれ以上ないという大口を開けてヤツに食らい付いた。


ブラックハヤテ号の一日  〜朝編〜


ザザッ
キャンッ!!

ボクは突然の音と前足の痛みで目が覚めた。

ボクの口には(きっといつか大きくなる準備だろうとボクは思う)太めの前足がくわえられていた。
夢かぁ...おっきくっておいしそうだったのに...あの肉。
ボクは前足を丁寧に舐めながら夢の中の巨大骨付き肉を思い出した。
ご主人様の顔くらいあったなぁ。丸々としてて肉汁たっぷりで...

カプッ

・・・失敗。思い出すのに夢中になってまた前足を噛んじゃった。


ぐっとのびをして欠伸をひとつ。後ろ足で頭をかくとようやく目が覚める。
さっきの音は新聞がきた音。本当はご主人様の為に取りに行きたいけど、ボクにはまだ重くて持って来れない。

前に試してみたら真ん中に穴が開いちゃってご主人様に怒られた。ご主人様は遊んでると誤解したみたい。違うのにな。

だから早くおっきくなってご主人様をびっくりさせたいと思う。その為に今秘密の特訓中なんだ。でもそれはまた後でね。


段々窓の外が明るくなってきた。そろそろご主人様を起こさなきゃ。

とてとてとてとて・・・
きゅ〜ん

ボクはベット横の床にお座りしてご主人様を呼んでみる。無駄だと分かってるけど一応ね。やっぱり何の反応もない。
これは秘密だけど、いつもキビキビしっかり者のご主人様は朝だけは弱いんだ。ボクが起こしてあげないと全然起きないの。

でもボクが来るまではどうしてたのかな?

ボクはいつもの通り足元に回る。ベッドはちょっと高めだから助走を付けて思いっきりジャンプ!!

ガシッ!!

ぎりぎりベッドのはじっこにしがみつく。

う〜ん、う〜ん
もうちょっとで後ろ足がっ・・・届いたっ!!

何とかベッドの上に到着。もうちょっとおっきくなればこんなの軽々なんだろうな。やっぱり早くおっきくなりたい。
ボクは布団の中に潜り込む。中は暗いけど、ボクはすぐにお目当ての所を見付けられるんだ。そしてご主人様を起こす為に―――――――


ぺろぺろぺろぺろ...

「んっ...」
ぺろぺろぺろぺろ...

「ふっ...やぁ...」

ぺろぺろぺろぺろ...

「ぁ...だめで..す...た..い..」
ぺろぺろぺろぺろ...

ぺろぺろぺろぺろ...
「っ!!」
がばっ!!

勢いよくご主人様が起き上がる。素早く身を屈めてこっちを睨む。

いつもこの瞬間が緊張するんだ。お得意のガンガンガンってやられないかってね。
警戒した瞳がボクを捕らえる。ボクは緊張なんかしてない振りをして――――

わんっ♪

ボクの一声でやっとボクだって分かってくれたみたい。何だか呆けた顔になって、それから笑ってくれる。

笑いながら頭を撫でてくれるんだ。こんな顔、きっとボクしか知らないね!!

「おはようブラックハヤテ号。」
あぅっ!!

すっかり眠気が覚めた声が降ってくる。ボクは元気よく挨拶を返すんだ!! どう?今日も役に立ったでしょ!!


ご主人様は自分の仕度を始める前にボクにごはんをくれる。

何か、ボクがお腹空いたから起こしてる(それもちょっとはあるけど)と思ってるみたいだ。キモチがうまく伝わらないのは残念だ。

「お座り。」
「お手。」
「おかわり。」
「伏せ――――よしっ。」

食事前の恒例。ご主人様の命令は反応が命。素早く対応しないとガンガンガンってくるんだもん。
伏せながら上目使いでご主人様をみると、よしって言う前に一瞬笑ってくれるんだ。

きっと満足の表情だと思うから、それをみるとボクもすっごく嬉しくなるんだ!!

はぐあぐはぐはぐ・・・

とりあえず骨付き肉を平らげる。そして残った骨をそっとくわえ、おもむろに立ち上がる。

さっき言ったでしょ、秘密の特訓!!コレをある場所までそっと運ぶんだ。
えっ?新聞と大きさが違うから意味がない? そ・・・んな事ないよ!!体格に合わせた訓練なんだもん。
えっ?習性? ちっちっちっ違うよ!!(確かに楽しいけど)もぅ、訓練なんだってば!!

「待ちなさい。」

ご主人様の鋭い声が突き刺さる。ボクはピッと立ち止まる。

「骨を埋めに行ってはいけないと言ったでしょう?すぐにお皿に戻しなさい。」

カチャッ

ご主人様、そのカチャッが恐いんですけど...
ボクは仕方なくお皿に骨を戻す。
そうなんだ。前にも埋めてたら「たいさ」とかに見付かって、すっごく怒られたんだ。なんか「さつじんじけん」かと思ったって。何だろ、ソレ?

あっ、ご主人様が食べ終わる前にボクも食べなきゃ。


ご主人様が「ぐんぷく」を来て出て来た。今日もキリリとしてカッコイイ!!起きたてのご主人様も好きだけど「しゅっきん」前のご主人様も大好き!!
ボクも準備OK。

ん?何の準備かって?ボクもご主人様といっしょに「しゅっきん」なんだ!!えっへん。

「ブラックハヤテ号。」

あっ、待ってご主人様。
じゃ、行ってきま〜す!!

  END

 

 

 

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ブラハの朝でした。昼に続きます。

 

そもそもこれが間違いの原点。

アニメの再放送で萌えてしまい、何気なく書いて何気なく月城に送ったら意外に好評で・・・調子に乗って書き過ぎました。

おかげで勢い余ってHP立ち上げる事に。良くも悪くも思い出の作品。

 

 緋月悠奈