月城お題:アルとハボがエドについて語る。
ハボは自分の気持ちを隠しながら。アルはハボの気持ちを知っていながら知らないふりで。
鎧と煙
「僕は兄さんが心配なんですよ。」
ブラックハヤテ号と遊ぶ少年を眺めて鎧姿の弟が呟く。
「兄さんは無意識で無理をしてる。大人になろうと、子供を捨てようと。
でも論理に感情が追い付かなくて苦しむ事が多いんです。」
「・・・それはあいつが優しいから、だろ?優し過ぎるから苦しむ。
でもあいつはその苦しみの反発を原動力にしてるんじゃないのか?」
瞳を細め紫煙を吐き出しながらヘビースモーカーも呟いた。
「そうです。それが兄さんの強さであり弱さなんです。」
「お前は兄貴に“強く”なって欲しいのか?」
「・・・違います。ただもう少し“柔らかく”生きて欲しいんです。」
「柔らかく・・・ねぇ・・・」
もう一度紫煙を吐き出した。
「・・・少尉にとって兄さんって何ですか?」
目線は芝生に転がる金髪と黒犬。
「・・・何だろうな。」
笑みには優しさと困惑が混ざる。
「兄さんは少尉といると弟みたいに見えます。弟の僕が言うのもなんですが。」
「弟、ねぇ。」
「えぇ弟です。」
青空に溜息と煙が溶け込む。
「そんなに仲良さそうか?」
「仲良いというか・・・大佐とは同族嫌悪で対等にあろうとしてるけど、
少尉には反発がない分”年上として慕う気持ち”が出てるんじゃないかな、と。」
「年上を慕う気持ち・・・それは、それは。」
靴底で煙草の火を消して捨てる。
「兄さんは内側の人間に甘いんです。」
「知ってる。」
新しい煙草に火をつける。
「だから心配なんです。いつか内側から兄さんを壊されそうで・・・」
「・・・誰もそんな事しないだろ。」
「――――例えば、兄さんが誰かに想われてる事を自覚してしまったりしたら?
兄さんはものすごく悩むと思うんです。その人に応えられても、られなくても。“今は無理。”きっとそういう答えが出るから。
そして気付かない振りをするでしょう、その人の為に。
でもそれは気付かない“振り”だ。その無理は段々兄さんの中に蓄積してしまう――――そうして兄さんは壊されてしまうんです。」
「・・・随分、極論なんじゃないか?」
鎧は俯きながらはっきり言った。
「そんな事ありません!!
だから、もしそうなったら、僕は許さない。」
しかし、一言だけ飲み込んだ。
(――――貴方を。)
煙草の灰が落ちる。
「想うだけでもダメなのか、エド。」
風舞う庭で楽しそうにじゃれあう二人と一匹を眺め、ヘビースモーカーは独り呟いた。
End
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うちのハボはいつも可哀想な位置にいる気が・・・
アルは・・・難しいよっ!!
前回も同じ事言ってるような気がするけど、難しいよぅorz
緋月悠奈