月城お題:アルとロイがエドについて語る。

ロイは自分の気持ちを隠しながら。アルはロイの気持ちを知っていながら知らないふりで。





「この集中力は昔からかい?」

――――出されたお茶に目もくれず、黙々と分厚い本を読む少年が一人。

「そうですね。昔から錬金術に関してはこうですね。」
――――自分も本を読みながら答える鎧姿が一人。

「ほぅ。本当に天性の才能に恵まれたんだな。」
――――万年筆を動かしながら感心する青年が一人。

 

その部屋には三人の錬金術師がいた。

 

 

――――――――三人の錬金術師

 

 

 

「えぇ。ただ錬金術以外はずぼらっていうか鈍感ですよ。例えば・・・恋愛とか。」
「・・・鈍感。まぁそんな感じだな。」


鎧は読んでいた本をパタンと閉じた。


「兄さんは人の気持ちに鈍感で、でも敏感なんです。」

「・・・言ってる意味がよく解らないが?」
「あぁ、えっと・・・兄さんは自分に向けられる好意に対して鈍感ですが、敵意に対しては敏感なんです。」
「なるほど。警戒心の強い猫の様だな。」
青年は目を細めて笑う。

「・・・他人に対して不器用で真面目過ぎるんだ。」
「・・・そうだな。純粋で傷付きやすい。が、痛みを力に変える強さを持っている、違うか?」

組んでいた指先に力が入る。関節部分がカチャッと鳴いた。

「でもその痛みをいつまでも忘れられない。 脆いんです、兄さんは。」
「本当に脆いのか?君から見た彼は。」

漆黒の瞳が光る。

「・・・はい。」
「ならば、その脆さを君が補っているんだろう。私から見た彼は、脆くない。」

強い声。黒耀石は優しく笑う。少し淋しそうに。

「・・・そうですか。ありがとうございます。」

鎧が笑った様な気がした。


 

「・・・所詮私は外側か。」

部屋には読み終わった本と積み上がった書類。

 

――――そして錬金術師が一人、呟いた。


  End

 

 

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大佐撃沈。というか自滅?

アルの先制攻撃を真正面から受けましたね。

 

それにしても、うちのアルは・・・怖いなぁ。

 

   緋月悠奈