ハボエド好きに30のお題
お題:02.頭を撫でる

    特権?


人間って自分より小さくて可愛い生き物を見た時、頭とか撫でたくなるのが普通だと思う。

で、撫でられた方だって多少なりとも喜んだりするもんだ――――と思ってた、今の今まで。


今、目の前にいる恋人は明らかに――――不機嫌だ。怒ってる様な拗ねてる様な、とにかく不機嫌。

いつもなら、人前の場合照れ隠しに軽く抵抗、二人だけなら照れて俯くんだけど・・・今は俯いているが、むくれている。

でも俺には理由が解らない!!だっていつも通り頭を撫でただけなんだから――――



恋人に頭を撫でられるのはわりと好きだ――――いや、かなりかな。

好きだという気持ちを現してる様で安心する。嬉しくて顔に出るからいつも俯いちゃうけど。

それに、年下とか身長の低さは関係なく、俺だけの特権らしいから――――と思ってた、さっきまで。

それは数分前の事。

俺は定期報告終了後、少尉に会おうと隣の部屋に入ったが当の本人がいなかった為、彼のデスクに座っていた。

ヘビースモーカーのデスクらしく灰皿に吸い終わった煙草でいっぱいだった。

俺はデスクに頬を付ける。ちょっと苦い、彼の香がした気がした。

ガチャッ!!

勢いよくドアが開いた。見ると少尉が入ってくる。俺は彼を呼ぼうとしたが、
「おっ、ブラハ、元気か?ん?」
彼が足元の子犬、ブラックハヤテ号を見つけ座り込んでしまったから声をかけそびれた。

ので近付いてみると――――撫でていた、ブラハの頭を。それもすっごい勢いで、楽しそうに!!


何か、ムカついた。声をかけるのを忘れ少尉を凝視してしまう。すると俺の視線に気付いたのか彼が振り返り、
「大将!!来てたのか!!」
と立ち上がり俺の頭を撫でた。
俺は思わず俯く。苛立ちでむくれてたから。



俺、何かしたか?ブラハの後がまずかったのか?俺は困惑してしまう。
「大将?」
彼の顔を覗き込もうとすると、
「何でもない!!」
と叫ばれ逃げられてしまった。しばし呆然。が、すぐに追い掛ける。こういう場合、上だ!!


屋上に上がると抜ける様な青空が広がっていた。やっぱりここにいたか。エドが手摺りに顎をのせ空を見上げている。
「エドッ!!」
勘が当たった事に感謝して彼に駆け寄る。
「・・・少尉・・・」
「どうしたんだ?俺何か悪い事したか?」

ぎゅっ

無言で抱き着かれた。

何だ?!こういう事ってなかなかしてくれないから、されると逆に困る。

言葉を発したくなさそうなので頭を撫でた。出来るだけゆっくりと優しく宥める様に。



少尉の手が俺の気を静めていく。冷静になってみると苛立ちの理由が見えてきた。

そっか、俺ブラハに嫉妬してたんだ。何で嫉妬なんかしたんだろう?撫で方が全然違うじゃないか。何か自分に笑える。
「・・・ごめん。」
まだ顔が見れなくて俯いたままだ。
「何だったのか聞いてもいいか?」
「・・・ブラハに嫉妬した。」
「はぁ?」
予想だにしなかった答えだったらしく、素っ頓狂な声が降ってきた。

何だか可笑しくなる。
「少尉が楽しそうにブラハを撫でたのが何かムカついたんだ。今解った。嫉妬してたんだ俺。当たってごめん。」
「いや、何かそんなにサラリと言われると拍子抜けするなぁ。でも俺が何かしたんじゃなくてよかったよ。」
見上げると本気で安心したって顔があった。

目が合うとお互い笑ってしまった。


またゆっくりと頭を撫でられる。今度はその手から愛しいと聞こえて来た――――


  End

 

 

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撫でられるって何か好きです。

それより喉を擽られる方が好き・・・って変ですね。

 

嫉妬するエドが書きたかったんです。それだけ。

 

   緋月悠奈