月城課題:ハボエドとソラリス
片想い追走曲
第四曲目 仮走
「今日も犬に会いに行くの?何か情報は?」
「ないわ。口が堅いのよ。意外な忠犬ぶりね。」
深紅のバラを眺め最強の矛は呟く。
「わん公のくせにいっちょ前に煙草なんか吸って・・・あれって、実はほねっことか?あははっ!!」
嫉妬は意地悪そうに笑った。
「さぁどうかしら? そういえば私の前では吸わないのよ。何でかしらね?」
「デートのマナーなんじゃない?きっと焔の奴に教わったんだよ。
ねぇラスト――――いや、ソラリス。口が堅い忠犬にいつまで付き合うつもり?」
「・・・そうね。そろそろ潮時かしら。何か気付き始めてるみたいだし。」
ラストは花束の一輪にキスを落とすと薄暗い空間に放り投げた。そして素早く花の根元の部分だけ切り落とす。
統制を失った花びらはゆっくりと舞い落ちた。
「可哀相に。」
ひらひらと散る紅い雪を眺めながらエンヴィーは笑った。
可哀相なのはバラか、彼か、それとも自分達か。
ラストは紅雪の一片を手に受けた。
彼女の漆黒の掌に栄える紅はさながら溢れ出した血の様で――――彼女は少し笑った。
走る走る、想いは走る。
走る走る、走り続ける。
走る走る。追って、追われて――――追走曲のように。
End
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やっと終わりました。
このシリーズの裏テーマは「みんな片想い」でした。
いろんな片想いを書けて楽しかったです。
読んで頂いた方が少しでも面白かったと感じて頂ければ幸いです。
お付き合い頂き、ありがとうございました!!
緋月悠奈