くんくんくん...
ボクはいいにおいで目が覚めた。お肉の焼けるいいにおい。おいしそ〜。
思わずボクは寝床から這い出してしまった。
ブラックハヤテ号の一日 〜夜編〜
においの元はもちろんキッチン。ボクが近寄るとご主人様は真剣に料理中だった。
あぁこれは――――何となく分かる。「あの人」が来るんだ。
そうなるとボクは複雑。
「あの人」が来ると少しおすそ分けをして貰えるからちょっと夕飯が豪華になる。その分―――――
コンコン
あっ、来た。ボクはドアの前まで走る。ドアの向こうのにおいは・・・「あの人」だ!!
わんっ
ボクは「開けていいよ」って言ってあげるの。ご主人様は開けないから。料理中だからって訳じゃないよ、いつも開けないんだから。
でも「あの人」には関係ないみたい。一回ご主人様がすっごく怒って閉め出しちゃった事があったけど「れんせい」して入って来ちゃったもん。
ご主人様も「あの人」には敵わないみたい。
ガチャッ
何にも言わないで「あの人」――――「たいさ」が入って来た。
「やぁ。出迎えご苦労。」
ボクの頭をわしわしする。それからツカツカと部屋を横断してソファーに陣取る。
ボクも後を着いてくとまたわしわしされた。
「大佐、上着はご自身でハンガーにお掛け下さい。それから、もうすぐ出来ますので。」
キッチンからご主人様の声がした。ボクのご飯ももうすぐみたい。おなかすいた〜。
それから暫くはキッチンとソファーで会話してたけど、すぐにボクのご飯を持ったご主人様が出て来た。
ボクはいつもの場所に飛んで行き、「たいさ」の不平を聞きながら先にいつもよりちょっと豪華なご飯にありついた。
ぴきゅっ
噛み付かれたアヒルが鳴いた。ボクは黄色いそれをくわえてソファーに走る。
ぴゅきゅぅ〜
「たいさ」の足元にアヒルを落とすとまた鳴いた。「たいさ」はそれを拾い上げ、投げやりに放る。さっきからそれを繰り返していた。
退屈だと顔全面に書いてある。ボクと遊ぶのはつまらないらしい。
だけどさっき、ご主人様をソファーに座らそうとしたら「後片付けがありますので」とあっさり断られてしまったので仕方なくボクと遊んでるらしい。
もうちょっと楽しそうにしてくれたらいいのに。
「大佐。」
ご主人様がカップを差し出す。
このにおいは「こうちゃ」だ。「たいさ」はこれが好き。カップを受け取るとゆっくり飲み始める。
ご主人様もソファーに座り、ひょいっとボクを膝に載せゆっくり撫でてくれた。
くぁふぅ
大きな欠伸が出る。何だか眠くなってきちゃった。お腹いっぱいだし、たくさん遊んだし、気持ちいいし――――
ころんっ、どすん
ほぇ?!
うつらうつらしてたボクは急に床に落とされた!!
見ると「たいさ」がご主人様を抱えて隣の部屋に入って行くところだった。
ボクは慌てて駆け寄る、がドアの前で、
「ステイ。」
「たいさ」に停められた。それから「ロイ」って呼ばれる顔になって、
「ブラックハヤテ号、ハウス!!」
と命じてドアを閉めてしまった。
あの顔になるとボクは相手にされない。
今日はちょっと早いけどもう寝ちゃおう。煩くなる前に。
明日の朝はご主人様を起こさなくていいや。どうせ部屋に入れないし。
「あの人」が来るとボクはちょっと複雑。
ご飯がちょっと豪華になって、投げやりだけど遊んで貰えて、ご主人様もよく撫でてくれる。
でもちょっと仲間外れ。
だから、「あの人」が来るとボクは――――複雑。
END
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夜編でした。
「嫌がらせの行方 Riza side」のブラハ視点って感じですね。
どっちを先に読んでも大丈夫ですので、読まれてない方は「なんじゃらほい?」って見に行って下さい。
ブラハ視点はこれからもやりたいと思います。
こんなの読んでみたいとかありましたら、こっそりお伝え下さい。
のっそり書きます。そして忘れた頃にUPされます。(意味ねぇ!!)
緋月悠奈