天空に堕ちた百合
第一章 白い手紙 Side
of Edword
――――ソレハナニ?
彼はいつもその視線の意味を測りかねていた。
その視線は皮肉を零す嫌味な口とは対照的に、優しさと寛容、そして熱を秘めていて――――
――――ナゼキヅイテシマッタ?
彼は視線の意味を測りかねていた。彼が何を望むのか。
本能が察知しても確信がなく、理性が否定しても腑に落ず――――
――――ドウシタイ?
そして何より、自分が何を望んでいるのかも、測りかねていた。
コンコン――――コンコン
ドアがノックされる。聞こえていないのか部屋の主――――エドワード・エルリックはベッドから起きようともしなかった。
「兄さん、起きて!!誰か来たみたいだよ。ノックされてるよ?兄さん。」
「・・ん〜・・・」
「もう仕方ないなぁ。兄さん、僕出るよ?」
鎧を軋ませ弟――――アルフォンス・エルリックはドアへ向う。
コンコン
控えめなノックにはぁいと応えながら扉を開いた。
「おはようございます。早朝より申し訳ありません。」
深々と頭を下げたホテルマンが立っていた。
「あ、おはようございます。えっと、お気になさらず。」
つられてアルフォンスもその大きな鎧の頭をを深々と下げた。
「エドワード・エルリック様にお手紙が届いております。」
が、差し出された封筒は真っ白で、
「あの、差出人の名前がないんですが・・・誰からか解りますか?」
表にエドワード・エルリック様と書かれているだけで後は何も書かれていなかった。
「それが『渡せば分かるから』とおっしゃって名乗られませんでした。
ただ軍服を着ておられましたので軍の方かと。あ、金髪の女性でした。」
・・・中尉かな?
『名乗らずに分かる金髪の女性軍人』の心当たりは一人しかおらず、アルフォンスは 厳しくも優しいリザ・ホークアイを思い浮かべた。
「わかりました、ありがとうございます。」
再び大きな身体を深々と折り曲げるアルフォンスに、ホテルマンも深々と頭を下げ去って行った。
「兄さん、手紙だって。」
「ん〜・・・」
「兄さん、聞いてる?」
「・・・」
返事はたまたまだったらしい。手紙の本来の受け取り人はまだ夢の中のようだ。
「仕方ないなぁ。」
いつものように腹を出して眠る兄に、いつものように溜息一つと掛け布団を掛け、傍らで本を読む弟。
――――午前8時。彼らのいつもの朝が始まった。
...to be continued
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エドサイドも始まりました。
といっても本人寝てます。すみません。
何か長く・・・なりそう?初長編になる感じです。ピンチ。
緋月悠奈